TRAINING PRINCIPLES
追い込み度(RIR・RPE)
RIR は「あと何回できるか」を表す数字です。0 が限界、2 なら「あと 2 回できた」ところで終えたという意味になります。
結論
Tailrep のプログラムは、多関節種目を RIR 2〜3、単関節種目を RIR 0〜2 に置いています。毎セット限界まで行く設計にはしていません。
研究で分かっていること
- Refalo ら (2023) のメタ解析では、挙がらなくなるまで追い込むことがそうしない場合より筋肥大に優れるという証拠は見つかりませんでした(効果量 0.12、95% 信頼区間 -0.13〜0.37)。
- Robinson ら (2024) のメタ回帰では、筋力の伸びは RIR の幅を通じてほぼ変わらない一方、筋肥大は限界に近いほど大きくなる関係が見られました。
- Grgic ら (2022) も、限界まで行くことは筋力・筋量の増加に必須ではないと結論しています。ただし有害でもなく、トレーニング経験者では肥大にわずかな利が見られました(効果量 0.15)。
- 「限界まで行かないと無駄」でも「限界まで行くと危険」でもない、というのが現在の見え方です。
実践にどう落とすか
- スクワットやベンチプレスのような多関節種目は余力 2〜3 回でやめる。フォームが崩れる手前で止めるほうが、次のセットも次の週も回る
- サイドレイズやカールのような単関節種目は限界近くまで行ってよい。扱う重量が軽く、回復も早い
- 毎セット限界まで行くと総セット数が落ちる。量を削ってまで追い込む価値は、いまのところ確認されていない
この原則を使っているプログラム
参考文献
この原則の限界・RIR は自己申告で、経験が浅いほど余力を過大に見積もる傾向が知られています。Robinson ら (2024) 自身、RIR の推定方法に限界があるため正確な関係は未確定だとしています。
Refalo MC, et al. (2023) Sports Medicine
Influence of Resistance Training Proximity-to-Failure on Skeletal Muscle Hypertrophy: A Systematic Review with Meta-analysis
Robinson ZP, et al. (2024) Sports Medicine
Exploring the Dose-Response Relationship Between Estimated Resistance Training Proximity to Failure, Strength Gain, and Muscle Hypertrophy: A Series of Meta-Regressions
Grgic J, et al. (2022) Journal of Sport and Health Science
Effects of resistance training performed to repetition failure or non-failure on muscular strength and hypertrophy: A systematic review and meta-analysis