TRAINING PRINCIPLES
可動域と筋の長さ
「ストレッチのかかる位置ほど効く」という話をよく見かけます。研究がどこまで支持しているかを見てみます。
結論
Tailrep のプログラムは、種目ごとにコントロールできる範囲のフルレンジを基本にしています。「伸ばした位置での部分反復が有利」という前提では組んでいません。
研究で分かっていること
- Varovic ら (2025) のメタ解析では、筋が長い状態で行う場合と短い状態で行う場合とで、肥大の効果は同程度と報告されました。
- 部位別に見ると、筋の中央から末端側にかけて長い筋長がわずかに有利になる傾向は見られました。ただしその差の多くは「実用上は同じ」と言える範囲に収まっています。
- さらに、研究間で比較された「長い」と「短い」の差が平均 21.8% 程度しかなく、解釈には注意が要るとされています。
実践にどう落とすか
- まずは各種目でコントロールできる範囲のフルレンジを使う。可動域を削って重量を足すより優先度が高い
- 「ストレッチ種目が特別に効く」という前提でプログラムを組み替える根拠は、現時点では十分ではない
- 可動域を変えたら別種目として記録する。同じ種目名のまま可動域だけ変えると、推移が比較できなくなる
この原則を使っているプログラム
参考文献
この原則の限界・筋の部位ごとの肥大は研究が進行中の領域です。今後の結果でこの記述は書き換わる可能性があります。
Varovic D, et al. (2025) International Journal of Sports Medicine
Does Muscle Length Influence Regional Hypertrophy? A Systematic Review and Meta-Analysis
Krause Neto W, et al. (2025) Frontiers in Physiology
The impact of resistance training on gluteus maximus hypertrophy: a systematic review and meta-analysis